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【ファーブニル】 ふぁーぶにる | |
分類:北欧神話 | |
北欧に伝わる魔竜。巨体を覆う難い鱗、爪も牙も獰猛の一言に尽き、その息には毒があった。 彼は元々は魔法使いの小人であったが、「持つ者が呪われる」と言う財宝の魅力に取り憑かれ、父と弟(レギン)を追放して洞窟に財宝を隠し、自らがドラゴンになる事でその財宝を守り続けた。――結局、弟レギンの下で育てられた英雄シグルド(=ジークフリート)の手によって、聖剣グラムで斬り殺されてしまう。 ファーブニルの心臓には不思議な力があり、それを食べると動物達の言葉が解かるようになると言う。シグルドはそれを食べた事でレギンが「ファーブニルの財宝を独り占めする為にシグルドを殺そうとしている」と鳥達に教えられ、レギンも殺してしまいます。 ところで、ファーブニルは小人なのに、その弟のレギンは何で巨人なんだろう?(グラムの項参照) |
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関連用語: | ≪グラム≫ |
【フィードバック係数行列】 ふぃーどばっくけいすうぎょうれつ |
分類:制御工学 |
![]() x=Ax+Bu x:状態変数行列 u:入力量行列 y=Cx y=Cx y:出力行列 に対して、全ての状態が測定可能と仮定した制御入力は、 u= −Fx と置く事が出来る。この時のF>を "フィードバック係数行列" と呼ぶ。 |
【フィードバック制御】 ふぃーどばっくせいぎょ | |
分類:制御工学 | |
![]() |
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関連用語: | ≪フィードフォワード制御≫ |
【フィードフォワード制御】 ふぃーどふぉわーどせいぎょ | |
分類:制御工学 | |
Feedeforward control。系に送られる外乱を直接検出できる場合に用いられる制御方法で、予め外乱信号を打ち消す訂正動作を行なう制御。卑近な例として、車を運転時、直進中に前方に障害物(外乱)を発見した時、ぶつからない無いように(外乱の検出)ハンドルを切って(外乱打消し動作)回避してかから、改めて直進を行なう。 | |
関連用語: | ≪フィードバック制御≫ |
【フェライト】 ふぇらいと | |
分類:材料 | |
Ferrite。α鉄(αFe)の事。体心立方格子の鉄の中に炭素が侵入型で固溶した状態の炭素鋼。フェライトは747℃で最大溶解量である0.022%Cを固溶可能である。 | |
関連用語: | ≪オーステナイト≫≪セメンタイト≫≪パーライト≫≪ベイナイト≫≪マルテンサイト≫≪レデブライト≫ |
【フェンリル】 ふぇんりる | |
分類:北欧神話 | |
Fenrir。神々の終末を齎す魔狼で、ロキとアングルボザ(Angrboza/哀しみを告げる者)の間に産まれた巨狼。その名には大地を揺らす者の意味がある。また、ヴァナルガンド(Vanargand/破壊の杖)とも呼ばれた。 フェンリルは「貴様は爬虫類か?!」と言わんばかりに一日ごとに大きくなっていき、「このままでは太陽を呑み込むだろう」と言う予言さえ下った。神々はこれを重く見て、フェンリルを「アースガルズ(Asgarzr/神の国)」から追放して縛り付けようと言う方向で話を付けた。 そこで作られたのが鎖「レージング(Loejingr/革の戒め)」。神々はフェンリルに「これを引き千切れるかい?」と持ち掛けて縛り繋ごうとしたが、その鎖をフェンリルは苦も無く引き千切ってしまった。神々は慌ててより強力な「ドローミ(Dromi/筋の戒め)」を作って同じように持ち掛けたが、それもやはりフェンリルを縛るには至らなかった。 困った神々はドヴェルグ小人に泣きついて、フェンリルを縛り繋げる事が出来る物を作ってくれと頼んだ。そして作られたのが、絹紐「グレイプニール(Gleipnir/ しかし、三度目となるとフェンリルも馬鹿ではない。それで縛ろうとすると「俺を騙そうとしていないか?」と警戒した。フェンリルは重ねてこう言った。「もしも騙していないと言うのなら、俺の口の中に誰か手を入れろ。もしも騙したら、その瞬間その手を噛み切ってくれる」と。そこに名乗りを上げたのが戦神ティール。彼は哀れ腕を噛み千切られる結果になったが、御蔭でフェンリルはグレイプニールの縛られる事に成り、地下深くに閉じ込められた。 しかし、フェンリルはラグナロクをもってその束縛から解かれ、オージンを食い殺すと予言されている……。 |
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関連用語: | ≪オージン≫≪ヘル≫≪ヨルムンガンド≫≪ロキ≫≪ラグナロク≫ |
【フォルセティ】 ふぉるせてぃ | |
分類:北欧神話 | |
Forseti。バルドルとナンナの間に生まれた一人息子。彼の名には救いの席と言う意味がある。 彼は有能な裁判官であり、黄金の柱と銀の屋根を持つ宮殿「グリトニル(Glitnir/輝く者)」で神々や人々の話に耳を傾けては、雄弁な物言いで説得し、正義と真実をもって裁きを下していた。 |
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関連用語: | ≪ナンナ≫≪バルドル≫ |
【フギ】 ふぎ | |
分類:北欧神話 | |
Hugi。その名に思考の意味を持つ少年。 ソールがロキやシャールヴィ達を連れて巨人族の砦を訪れた際、ソール達一行はウートガルザ=ロキから「一芸に秀でた者でないと歓迎しない」と言われ、一芸を披露する件となる。その二番手として名乗りを上げたシャールヴィに対してウートガルザ=ロキから差し向けられた刺客(?)こそが、彼フギだった。 シャールヴィは得意の駆け足で勝負を申し込みます。シャールヴィとフギとの勝負の一本目は、シャールヴィの惜敗。しかし、それで諦めるシャールヴィではありません。何度と無くフギに勝負を挑みますが、勝負を続ければ続ける程にその差は突き放され、ついにシャールヴィも敗北を認めます。 実はこのフギ、巨人王自身の「思考」を幻術によって人間に見せられたもので、如何に韋駄天シャールヴィと言えど、「思考」の速さには勝てなかったのです。 とまれ、バレ無ければイカサマでは無いので、シャールヴィは敗北、フギは見事主人の意向に沿うたのでした。 |
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関連用語: | ≪ウートガルザ=ロキ≫≪シャールヴィ≫≪ソール≫≪ロキ≫ |
【腐食摩耗】 ふしょくまもう | |
分類:摩擦学 | |
Corrosive wear。大気中の水分、酸などの腐食性物質が存在する時、固形異物が無くても著しい摩耗を生じる。この現象を腐食摩耗と呼ぶ。これは錆みたいな物で、化学摩耗とも呼ぶ。 | |
関連用語: | ≪アブレシブ摩耗≫≪凝着摩耗≫≪表面疲れ≫ |
【プラントル数】 ぷらんとるすう | |||||
分類:流体力学 | |||||
流体力学において現れる無次元量で、『流体の粘性に基づく運動量伝導率』と『流体の熱伝導に基づく熱拡散率』の比。 その値は、
で表わされる。ここで、Prはプラントル数、μは粘性係数、λは熱伝導率、Cpは定圧比熱、γは流体密度(?申し訳無い、資料不足で自信がありません……)である。 |
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関連用語: | ≪グラスホフ数≫≪スタントン数≫≪ヌッセルト数≫≪ペクレ数≫≪レイノルズ数≫ |
【フリッグ】 ふりっぐ | |
分類:北欧神話 | |
Frigg。愛される者の名を持つ、北欧の女神における第一位。オージンの正妻であり、バルドルと言う息子を産んでいる。因みに、フリッグは「フェンサリル(Fansalir/沼血の館)」と呼ばれる館居を構えている。 彼女は文献によってはフレイヤと混同される事がある。と言うのも、片やフリッグ片やフレイヤ。夫の名もオージンとオーズ。二人とも鷹の羽衣を所有しており、また首飾りもしている。そして何より、二人とも恋多き女神であり豊穣を司っているからである。 |
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関連用語: | ≪オージン≫≪バルドル≫≪フレイヤ≫ |
【フルングニル】 ふるんぐにる | |
分類:北欧神話 | |
Hrungnir。彼の名である輪なる者は、かつて北欧の王が臣下に対して指輪・腕輪と言った物を授ける慣習があり、その事から王侯貴族は「輪を授ける者」と呼ばれる事があった。その事から、巨人族の勇者であるフルングニルには「輪」を関する名を与えられた。 彼は巨人族の中で最も強く、頭も心臓も石でできていました。 ある時彼はオージンによってソール不在のアースガルズに招かれました。しかし、ソールはアースガルズに戻るなり仇敵であるフルングニルを見付け「何故この神なるこの国で巨人が酒を振る舞われているのか!」と激怒しました。それからは売り言葉に買い言葉、フルングニルとソールが素手に寄るガチンコ勝負を行う事になります。 決闘の際にはフルングニル側――巨人達の陣営――は、巨人達の中で一番強いフルングニルが倒されてしまうともう後が無い為、体長6, 7kmにも及ぶ粘土の巨人「モックルカールヴィ(Mokkurkalfi/雲の脛)」を加勢に付けました。 決闘の結果はどうかと言うと、シャールヴィの機転によってフルングニルは気を惑わされ、ソール怒りのミョッルニルが頭蓋を砕き、ソールの勝利に終わります。 しかし、フルングニルとて仮にも巨人一の豪傑、ただでは殺られませんでした。ミョッルニルに対抗して手にした巨大な砥石をソールの額に叩き付けていたのです。また断命させたれて尚、その巨体をソールに預け、身動きを取れなくしてしまいました。 フルングニルの巨体に押し潰されて動けないソールにトドメを刺そうと魔手を伸ばすモックルカールヴィはシャールヴィの手によって敢え無く退治させられてしまうが、人間の身であるシャールヴィに、フルングニルの巨体を動かす力はありませんでした。結局フルングニルの骸をどかしたのは、ソールの息子であるマグニでした。 |
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関連用語: | ≪アースガルズ≫≪オージン≫≪グッルファクシ≫≪シャールヴィ≫≪ソール≫≪マグニ≫≪ミョッルニル≫ |
【フレイ】 ふれい | |
分類:北欧神話 | |
Freyr。主人、支配者の意味の名を持つこの神は、オージン、ソールに続く第三位の神であり、バルドルに次いでパーフェクトな神であった。また、フレイヤの兄に当たる神である。 彼は雨と日の光と司り、豊穣や平和を加護する神でもある。同時に戦士としても優れており、巨人「ベリ(Beli/罠)」を牡鹿の角で殺した事もあると言われている。 フレイはオージンやソールに負けず劣らず多くの秘法を手にしており、グッリンブルスティ、スキーズブラズニル、無銘の「独りでに巨人を倒す剣」、「ブローズグホーヴィ(Blozughofi/血塗れの蹄)」と言う名の牡馬を有していた。 彼は雄々しい戦士ではあったが、一人の男性でもあった。ある日彼が世界を見渡していると、ヨトゥンヘイム(Jotunnheimur/巨人の国)に住む乙女に心を奪われた。その名はゲルズ(Gerzr/原野)。ゲルズは燃える結界の中に入っており近づく事さえ難しく、何より彼女はアース神族の仇敵=巨人族だった。 フレイは悩み足掻きました。そして恋煩いですっかり衰弱してしまったフレイは、遂に従者のスキールニル(Skirnir/洗い清める者)に胸の内を打ち明けました。神々からも妖精からも祝福されないこの恋に、如何すれば決着をつけられるのか、と。 スキールニルはただの人間、炎の結界を自分だけでは飛び越えられず、巨人に見付かれば捻り殺されます。だからスキールニルはフレイに言いました。「炎を飛び越えられる乗り物と、巨人に負けない力を私に下されば、必ずやその望みを叶えましょう」と。フレイはその申し出に、ブローズグホーヴィと独りでに巨人を倒す剣を渡しました。 スキールニルは早速ブローズグホーヴィに飛び乗って、ゲルズの下へと駆け抜けました。そして、ゲルズに常若の林檎(←ヴァルハラ宮殿から盗んできました)を差し出してフレイの嫁に来てくれと頼みました。それが駄目なら次はドラウプニルの宝物(←パクってきました)で釣ろうとしましたが、それにも応じませんでした。それで駄目ならと巨人殺しの魔剣で脅しましたが、その脅しにも屈しようとしませんでした。最期に魔法の杖(←ガメてきました)で呪いを掛けるぞと脅しをかけて、漸く首を縦に振りました。ゲルズはこう言いました。 「九夜経ったらバッリ(Barri/穀物)の森へ来るようにお伝え下さい」と。 スキールニルからの言伝を聞くと、フレイは溜め息混じりにこう零しました。 「一夜は長い。ニ夜は更に。どうして三夜が待てよう。この半夜でさえ、一月よりも長いと言うのに」と。 半ば強制的に嫁にされたにも関わらず、この二人は仲睦まじく暮らしたらしい。しかし、この時スキールニルに与えた剣は結局フレイの手元には返って来ず、ラグナロクの時ビフロストを通って進軍してくる炎の巨人スルトの持つ炎の魔剣レーヴァテインによって殺される事となります。或いは、ゲルズに恋する事さえ無ければ、独りでに巨人を倒す剣も手元に残り、ラグナロクの運命も変わっていたのかもしれない。 |
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関連用語: | ≪オージン≫≪グッリンブルスティ≫≪スキーズブラズニル≫≪スルト≫≪ソール≫≪ドラウプニル≫≪バルドル≫≪ビフロスト≫≪フレイヤ≫≪ラグナロク≫≪レーヴァテイン≫ |
【フレイヤ】 ふれいや | |
分類:北欧神話 | |
Freyja。フレイの妹。フレイヤの名には女主人の意味があり、女神としてはフリッグに次ぐ地位にあった。また、魔術に長け、主神オージンの師にも当たる。神々の中で最も美しいとされる女神フレイヤは、当然多くの神々から求婚されるが、彼女はそれを拒み切れないほど情に溢れていた。しかしそんな中で、彼女自身の恋は成就しなかった。相手の名は「オーズ(Ozr/激情)」。二人の間には「フノッス(Hnoss/装飾品)」と言う娘が産まれたが、オーズは根っからの流離い人。二人を置いてあっちへフラフラこっちへフラフラ。彼女はそんな彼を追って、あちこちを旅する羽目になった。 フレイヤの住処は「フォールクヴァング(Folkvangr/戦いの野)」にある大きくて美しい「セッスルームニル(Sessrumnir/席ある部屋)」と言う館だった。戦死者の半分を選ぶと、その館に招いては宴席で持て成していた。 彼女の持ち物は牝豚「ヒルディスヴィーニ(Hildisvini/戦の葡萄酒)」、鷹の羽衣(fjazrhamr/ファズルハム?)、首飾り「ブリーシンガメン(Brisingamen/炎の首飾り)」でした。 このブリーシンガメンに関連して説話を一つ。 彼女は旅中で、四人のドヴェルグ小人が美しい首飾りブリーシンガメンを作っているのを見ました。彼女はそれを譲ってくれと頼んだところ、小人達は「一人につき一晩ずつ相手をしてくるのなら譲ってやっても良い」と持ち掛けました。そしてフレイヤはそれを軽く了解しました。 それを見ていたロキは大急ぎでオージンのもとに掛け付け、フレイヤの不逞を言い付けました。オージンは怒り、ブリーシンガメンを取り上げるように言いました(結局、これは最期にはフレイヤの手に戻って、失敗に終わったのですが)。その後オージンはフレイヤを呼び付け、こう罰しました。 「お前が許される為には、二十人の従者を持つ二人の王を互いに戦わせるのだ。そして、その日の戦が終われば死者も壊れた武器も鎧も蘇り、また戦い続ける――永遠に――。お前の罪はその事によってのみ償われる」と。 結局フレイヤはそれを成し遂げるのだが……その四十二人の戦士達は、今でも戦い続けている。オージンのわけの解からない罰則のせいで、死んでも死に切れる事なく、永劫の時の中で。 |
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関連用語: | ≪オージン≫≪フリッグ≫≪フレイ≫≪ロキ≫ |
【フレースヴェルグ】 ふれーすべるぐ | |
分類:北欧神話 | |
Hresvelgr。死者を呑み込む者の意味を持つ巨大な鷲で、イッグドラシルの梢に居を構え、死者の魂を食べて生きているようです。 フレースヴェルグは巨人の一族で、その巨大な翼を振るう事で、風を起こす役割を担っています。彼が起こした風を諌めるのは、彼の眉間に住む鷹「ヴェズルフォルニル(Vedsrfolnir/風を打ち消す者)」の役割では無いか?とも言われています(詳細は不明)。 イッグドラシルの根元に住む飛龍ニーズホッグとは仲が悪く、いつも喧嘩ばかりしています。住む場所が違うのに二人して仲が悪いのは、同じくイッグドラシルの幹に住み、イッグドラシルを上へ下へと走り回る栗鼠「ラタトスク(Ratatoskr/走り回る出っ歯)」がこの二人(二匹?)の会話を中継して伝え、その仲を煽り立てて楽しんでいるからです。 ニーズホッグとフレースヴェルグは、ラグナロクの終焉後、ラグナロクによって死んで逝った者達の魂を貪り尽くす役割を持っています。この二人(二匹?)によって全ての「前なる世界」の住人達が全て絶えた時に、初めて「次なる世界」が生まれるのでしょうか? |
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関連用語: | ≪ニーズホッグ≫≪ラグナロク≫ |