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【歪み】 ひずみ
分類:物理工学
歪み strain。部材に荷重が作用すると、部材が伸びる(or縮む)。この部材の変型割合を歪みと呼ぶ。
 歪みには公称歪みNominal strain)と真歪みReal strain)の二種類があり、それぞれは次の式で求めることができる。
公称歪み e=L−Lo
―――
Lo
   真歪み ε=lnL
――
Lo

 一般的(実機実験など)に「歪みが云々」と言われるとそれは公称歪みの事を指すが、CAE分野で「歪みが云々」と言われる場合は真歪みの事である。
公称歪みと真歪み 何故実機実験とCAEで使い分けがされるかと言うと、CAE分野で真歪みを使用することがN.Gだからである。例えば、「Lo→引っ張り→L→圧縮→Lo」の順で加工し、結果として形状が元に戻った場合を考えると(右図)、
公称歪み e=e1+e2L−Lo
―――
Lo
L−Lo
―――
L
(L−Lo)2
―――
LoL
真歪み ε=ε1+ε2=lnL
――
Lo
+lnLo
――
L
=0

 となる。CAEで真歪みを用いて計算すると、よろしく無い結果になる為、CAEでは真歪みを用いないと言うワケである。
 尚、歪みの単位は 真歪みは[%]、公称歪みは[-]か[st]を用いる。後者に関して補足すると、[st]は "strain" の略であり、より一般的には[μst](=10-6st)を用いる。
垂直歪みと剪断歪み※垂直〜 すいちょくひずみ
 Normal strain縦歪みLongitudinal strain)とも呼ばれる。軸荷重を受けた場合の荷重方向(l方向)の変型を表す歪みの事(右図(a))。また、荷重方向に垂直方向(d方向)の変型を表す歪みを横歪みLateral strain)と呼ぶ。
※剪断〜 せんだんひずみ
 Shearing strain。剪断荷重が発生した時の荷重方向の部材のずれの事。元形状と変型後形状が成す角度と同じ。
※相当〜 そうとうひずみ
 Equivalent strainミーゼス歪みとも呼ばれ、CAE分野では次の塑性歪みとともに「相当塑性歪み」で呼ばれる方が一般的であろう。
 歪みは応力と同様に6軸方向の歪みが存在し(垂直歪み・剪断歪み参照)、その6軸要素の値をそのまま使って「どこが一番歪んでいるのか?」を判断するのは難しい。そこで、これら6軸要素を単軸要素に換算した値を用いて最大歪み箇所を判断する。この単軸歪みを相当歪みと呼ぶ。
※塑性〜 そせいひずみ
 弾性域を越えて変型した部材の歪みは、荷重を除荷すればある程度元形状に戻る歪みと、そうでない歪みとがある。前者を弾性歪み(εe)、後者を塑性歪み(εp)と呼ぶ。
 大変形CAEex. 塑性加工)で評価される歪み分布は主に相当歪みのεpであり、相当塑性歪みと呼ばれる。
関連用語: 応力

【ビヒモス】 びひもす
分類:聖書、中世悪魔学
 Behemothベヒモスベヒーモスベヘモットとも呼ばれる。名前には巨大な獣の意味がある。これはヘブル語の獣の単数形B'hemahの複数形だが、たった一頭でもあまりに巨大な為に複数形で表記されるようになった為と言われる。
 ビヒモスは二つの顔を持つ。一つは「聖書において獣達の王とされる聖獣」。もう一つは「中世悪魔学における七大魔王」。
 聖書『ヨブ記』(第401524節)によれば、サタンと共に創られたとされる神の異形いけい(「別の形」と言う意味であり、悪魔とかそう言った負の言葉ではないので悪しからず)。沼地の葦原や柳などの陰に身を潜ませていた。
 このビヒモス、牛のように草を食べ、腰の力と腹筋の勢いは凄まじく、尾は杉の枝のようにたわみ、腿の筋は固く絡み合い、骨は青銅の管、骨組は鋼鉄の棒を組み合わせたようでたった。『ヨブ記』ではこの獣をして「これこそ神の最高傑作、創り主をおいて剣をそれに突きつける者はない」言っている。また、聖書の中のイメージとしては、犀・河馬・水牛・象など、大きくて強く、そして硬い表皮を持つ獣として描かれている。
 巨大で獰猛で凶悪なその威容の割りに性格は温厚で、あらゆる獣達と共に山を登り、食を共にしたとされている。
 また、ヨルダン河が氾濫した時には、その水を全て呑み干して難を逃れたと言う記述もあります。これは聖書『ヨブ記』19節に「神のわざの第一歩であって」とあるように聖なる力ですが、曲解されて「水を吸い尽くす砂漠の悪魔」だとされる事もあります。
 ユダヤの伝承『ミドラッシュ・コネン』によれば、天地創造の六日目の水と光と塵から創られ、千の山々の真ん中に置かれたと言われます(別説ではリヴァイアサンと共に創世五日目に創られて海に置かれたが、リヴァイアサンと一緒にいると海が溢れてしまう為、陸に引き揚げられたと言われる)。そして、リヴァイアサン同様終末の頃には屠殺されて人々の食料として振る舞われます。
 また、中世悪魔学では打って変わって七大魔王の一人とされ、七つの大罪の内「大食」を司りました。恐らく、その巨体がそのイメージを彷彿とさせ、ヨルダン河での逸話がそれに拍車を掛けた物と思われる(後者はHP管理人の私見)。所で、「大食」の大罪は蝿の王ベルゼブブだとする説の方が有力である事をここに付記する。
関連用語: バハムート≫≪リヴァイアサン

【ビフロスト】 びふろすと
分類:北欧神話
 Bifrost揺れる道の意味がある。神々が住むアースガルズと人間が住む世界ミズガルスとを結ぶ掛け橋で、その袂(アースガルズ側)には、ヘイムダッルの館が建っている。ヘイムダッルは、この掛け橋からの外敵を見張っていますが、ラグナロクの際には、スルトを筆頭に多くの巨人族の侵攻を赦してしまったようです。
 雨上がりに掛かる虹は、ミズガルズとアースガルズを橋渡すビフロストだ、とも言われています。
関連用語: アースガルズ≫≪スルト≫≪ヘイムダッル≫≪ミズガルズ≫≪ラグナロク

【白虎】 びゃっこ
分類:中国神話
 中国四神・四聖獣の一。文字の通り、純白の猛虎を模された聖獣。他の聖獣が合成獣であるにも関わらず白虎だけが単一獣であるのは、虎がそれだけで神性を充分以上に纏っているからであると言われる。守護方位は西(右)であり、土の精とも言われていた。陰陽五行の思想においてその性は土の生じ、金に遊ぶとされる。
関連用語: 麒麟≫≪玄武≫≪黄龍≫≪朱雀≫≪青龍≫≪鳳凰

【表面疲れ】 ひょうめんつかれ
分類:摩擦学
 Surface fatigue wear。二物体が(巨視的に見て)小さな接触部分を持ち、そこに荷重を加える時、その部分は変形して接触面を作る。この接触面の往復移動によって起こる繰り返し剪断力によって表面からやや内部に入った所に疲れクラックが生じ、表面が剥がれる。このような摩耗現象を表面疲れと呼ぶ。
関連用語: アブレシブ摩耗≫≪凝着摩耗≫≪腐食摩耗


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