Aegir。海を治める神であり、巨人。海で死んで逝った者達の魂を取り仕切る神であり、海難事故によって沈んだ船の金銀財宝は、黙っていてもエーギルの下へ運ばれてしまう。
その名には誘い込む者の意味があり、時にはその名が示すように、自ら船を沈めて船人達の魂を宮殿へと誘い込む事さえあったと言われる(この時エーギルが起こした波の事は『エーギルの顎』呼ばれる)。その為か、船乗り達は安全を約束してもらう為に人身御供を捧げる事さえあった。 彼の家族は妻と九人の波の乙女。妻の名は「ラーン(Ran/奪う者)」。九人の波の乙女はそれぞれ「ヒミングレーヴァ(Himinglaeva/天の輝き、天の海)」「ドゥーヴァ(Dufa/沈める波)」「ブローズグハッダ(Blodsughadda/血塗れの手鈎)」「ヘヴリング(Hefring/高くせり上がる波)」「ウン(Unn/叩き付ける波)」「フロン(Huronn/重なる波)」「ビルギャ(Byrgja/取り囲む者)」「バーラ(Bara/漂流者を弄ぶ大波)」「コールガ(Kolga/押し寄せる大波)」と言う。
エーギルのには「フィマフェング(Fimafengr/すばしっこく掠め取る者)」と「エルディル(Eldir/給仕、火の男)」と言う召使が居たが、フィマフェングはロキの自己中心的な癇癪によって捻り殺されてしまいます。フィマフェングの死によってロキは神々から追われ、遂にはラグナロクまで拘束される運命を辿ってしまいます。 |