2001/09/18(TUE) - 2001/09/20(THU)
学会発表

 ってワケで、行ってきました学会発表 in 東京大学。
ファミュト=レル(以下:ファレル)「はい」
 ん?何だ、その手は?
ファレル「御土産ですよ、お・み・や・げ。当然じゃないですか」
 ああ、そうだな。ほれ。
ファレル「……?何ですか、これ?」
 見ての通りだ。東京で拾って来た石。稀少価値は無いが実用性に富んでいるぞ。
ファレル「ああ、成る程。例えば人に投げ付けたり人に殴り付けたり人に叩き付けたり。確かに便利ですね?」
 ああ、解かった解かった冗談だ。ほれ、銀杏並木で拾った落ち葉……は冗談として、ほれ。東京大学饅頭だ。
ファレル「へ?そう言うのがあるんですか?」
 ああ。俺もビビッた。研究室の皆様とバイト先の皆様に土産に買ってみました。
ファレル「美味しいんですかね?」
 さぁな。食ってみろ。
ファレル「では後ほど御茶菓子と一緒に戴きましょう。それはそれとして、」
 はいよ。学会発表結果。折角だから一日目から順を追って説明していこうか?
ファレル「そうしましょう」
 じゃ、まず一日目。07:00起床。準備をして新幹線に乗り込む。しかし、どうせ平日だし朝早いし、指定席じゃなくても大丈夫だろうと考えていたのが甘かった。自由席では座れずに、名古屋から東京――正確には新横浜まで――立ちっぱなし。1時間半だ。ゆっくり座って駅弁でも食べようと思っていたのがいきなり出鼻を挫かれた。
ファレル「それはまた災難でしたね?しかも御話によれば、貴男の発表は東京大学到着後間も無くの事だったのでしょう?」
 うん。結局昼飯食べずに東大に到着して、休憩室で間近に迫った発表前に食べたんだけど……。初体験!!
ファレル「何がですか?」
 「緊張して食べ物が喉を通らない」って経験をしたのが!!無理矢理胃に詰め込んだけど、それでも結局少し残した。いやァ、アレって結構苦しいモンなのね。
ファレル「はぁ。物怖じしないと言うか何事にも無関心を貫き通す貴男にしては極めて珍しい事例ですね?」
 応。それで、次発表。まず、俺の発表ってさ、13:20からだったんだよ。
ファレル「フムフム」
 でもさ、一緒に行ったM1の発表は16:40だった。
ファレル「それで?」
 それが一緒にこんがらがってて、何を勘違いしたか自分の発表が13:40とかって思ったわけ。
ファレル「え?それでまさか、発表時間に遅刻したんですか?!(ワクワク)」
 いや、それは無い。
ファレル「ちぇっ。な〜んだ……」
 殺すぞ、てめぇ。それはそれとして、一応13:00には既にセッションの場にいたから遅刻はしなかったんだけど、呼ばれて「ええ?!」って思いながらも登壇。但しその時、俺は「一つ前の発表でノートPCの電源付けりゃ良いだろう。電気勿体無いし」とか思っていたから、ノートの電源入っていない!!ピンチ!!
ファレル「馬ッ鹿ねェ〜〜」
 五月蝿い!!それでも手早くスイッチ入れて電源ON!!予想以上の立ち上がりの早さに安堵しつつもプロジェクタに繋いで見ると、何と!!プロジェクタにモニタ画面が映らない!!何で?!混乱の境地に達しました。
ファレル「それでそれで?!(ワクワク)」
 結局同行してもらった助教授の人の力を借りて、どうにかモニタを映したけど、それで2, 3分程時間を潰した。
ファレル「いやぁ、面白い事するのね、あなたって」
 こっちは必死じゃワイ。そんなこんなで発表開始。もう、しどろもどろで自分でなに言っているのか解からないくらい緊張してました(笑)。
ファレル「聴講者さん方の反応はどうでした?」
 う〜〜ん。「所詮は学生か」とか、そう言う雰囲気よりも悪かったかもね。質問された事には一応答えたけど、どうも俺の意図しているべき事が正しく伝わっていたようには見えなかった。
ファレル「もっとこう、言いたい事はしっかりと噛み砕いて喋るように心掛けないといけませんね」
 ああ。その通りだった。
ファレル「それで、同行なさったM1の方の発表はどうだったんですか?」
 う〜ん。まァ、「所詮は学生か」レベル。後で聞いた話だと、緊張しまくって質問の意味が解からなかったって言ってた。
ファレル「大変だったんですねェ。――そう言えば、他の講演者の方の発表はどうだったんですか?」
 凄い。解かり易かった。同じ学生とは思えないくらい。これが企業の方の発表になると、短いPower Pointで要点を確実に抑えて、殆ど口頭で説明している感じ。しかも、時間が無いと判断すれば、途中はスパッと叩き切る豪快さ。マニュアル通りが信条の俺には真似できない芸当だね。
ファレル「本っ当、どうしようもない駄目人間ね、貴男」
 反論できないような事は言わないでくれ……。
ファレル「で、一日目はそんな感じで終わりですか?」
 いや。発表後、ちょっとまだある。その日の宿泊先は、東京商船大学にある来客用の一室を借りて泊まったンよ。
ファレル「……行かれたのは東京大学ですよね?」
 ん?あ、ああ。これ、ウチの助教授の方の伝手つてがあってな。その関係だ。商船大学の某教授様が、ウチの助教授の先生にあたる人物でさ。運良く借り受ける事が出来たってワケ。
ファレル「ああ。成る程」
 で、その関係もあって、その教授の研究室内の研究とかも少し紹介してもらったんだけど……やっぱ違うね、金がある所は。
ファレル「どう違うンですか?」
 研究内容とその規模。まず、研究室内での研究テーマってのは一つだけだったンだよ。それが6DOFマニピュレータハンドを用いて水(海)中内でのハンド動作の軌道生成――だったかな?うろ覚えで申し訳無いけど、そう言う研究。で、その6DOFマニピュレータってのが、一つン百万だかン千万だかするマニピュレータでさ。それを二つ、人間の腕みたいに組み合わせて動かすんよね。しかもそれで使うPCがデュアルCPU仕様のどうだこうだで――ここらへんは良く聞いてなかった――、御値段が聞いて驚けPC一つに500万円。研究室外での研究は実船に積んであるらしいんだけど、その研究テーマってのが船舶のテレコントロールだとか、パラレル機構を用いて甲板揺れを抑えて静止衛星との通信を可能にするだとか。そう言った一つン[ton]するようなダイナミックな装置を用いたビッグスケールな研究ばっかり。ずっと驚きの連続だった。
ファレル「ぐ〜〜」
 寝るな!!
ファレル「ん?……ああ、御免。で、温泉卵がどうかしたの?」
 ――もう良い。
ファレル「だって、貴男の説明、解かり難いんだもん」
 痛い所を……。それはそれとして。
ファレル「それとしない」
 黙れ。その日はなんやかやでその大学構内にある白い家――通称ホワイトハウスらしいです――の一室に泊めて頂いた。
ファレル「大学構内の家って言われると、どうも汚いイメージがあるのですけど?実際にはどうだったんですか?」
 ん?綺麗だったよ。驚く程に。しかも、バスルームも付いていた。そしてクーラーやテレビまで。何故か碁が5セットもあったし。麻雀牌と雀卓が2セットあった。四人いたら麻雀でもしたかったな。
ファレル「残念でしたね」
 全く。そして二日目。この日も適当にセッション回った。ンで、午後から東京大学の研究室を回った。
ファレル「どうでした?」
 いや、商船大学と同じ。金がある所は機材が違います。AIBO6体も使ってサッカーしたりさ。あと、自作の実機を作ったりもしてたけど、そう言うのを見ていると、やっぱり賢いヤツはそう言うのも出来るンだよなと、東大生に対するイメージを一新しました。御免なさい、東大生の皆様。
ファレル「何唐突に弱気になっているのよ」
 だって、僕まだまだ子供だもん
ファレル「オッサンが幼児返りしても見苦しい以外の何者でもないわよ」
 ムカツク。その日はその後、特別セッションでロボットの人口知能に関連した講演として京都大学の霊長類研究室(だったかな?)の教授にチンパンジーのアイちゃんの事を色々と話してもらった。面白かった事は面白かったけど、別にどうと言う事も無かった。興味がある人間は、多分引き込まれていただろうケド。だって、発表の仕方がやっぱり激ウマだもん。
ファレル「そう言う『発表の良し悪し』を見れただけでも良かったじゃない」
 そうだね……って、勝手に話を締め括るな。まだ一日分残ってるじゃねェか。
ファレル「ばれたか」
 ったく。油断も隙もありゃしない。その日の学会はそこまで。その日は俺は折角東京まで来たし、両親の住む社宅で一泊する事にして御宿を解かれる事にしました。
ファレル「親孝行しましたか?」
 ん〜。どうだろう?「御腹空いた〜〜」って言って梨とかプリンとかねだってみたり、「疲れた〜〜」って言って肩揉んでもらったり、「荷物が重い〜〜」っつって、荷物を宅急便で送るように頼んだり。もしかしたら親孝行なんてしてなかったかもな。
ファレル「そこに『かも』って言葉を入れるのはどうしてなんでしょうね?」
 解からないから「かも」なんだよ
ファレル「……御両親が可愛そうよね……(ホロリ)」
 翌日は興味深いセッションがあったんで、助教授とM1と三人でそのセッションの発表を聞きに行った。
ファレル「何て言うセッションだったんですか?」
 え〜と。「ゲーム・エンターテイメント」だったかな?NECで開発している家庭用パーソナルスタンドアローンタイプロボットの「PaPeRoPartner-type Personal Robotの略らしい)」とか、SONYの小型二足歩行ロボット「SDRSonyDreamRobot)」とか、そう言った類の企業戦略的な商品としての発表の場、って感じのセッション。予想通りに面白かった。
ファレル「良かったじゃ無いですか」
 応。でもね、少し「可哀想だな……」って事があった。
ファレル「どのような?」
 いやね、そう言う企業様方がメインのセッションだから当然人もたくさん集るわけだよ。それこそ、SONY様の「小型二足歩行エンターテインメントロボット」に関する発表では、部屋が溢れて立ち見客が出るくらいに。
ファレル「フムフム」
 でさ、その次の発表が神戸大学の学生――だと思う――さんの発表だったんだけどさ……皆様、波が引くようにザァっと退室しちゃってさ。何て言うのか、惨めで……。
ファレル「それは……確かに……」
 かく言う俺も興味無く、ちゃっちゃと退室しました。
ファレル「可哀想に……」
 で、その後は東京大学の生協で土産を買った。
ファレル「この『東京大学饅頭』ですか?」
 当たり。研究室のみんなとバイト先のみんな用に。バイト先には更に『東京大学』とロゴの入ったボールペンを10本(\80/本)買って来た。ンで、地元のツレ用に土産を三つ程。
ファレル「何買ったンですか?」
 ここでは秘密。既にM.Hには渡した。東京大学の学紋が入った生徒手帳ケース。
ファレル「え〜……と。あの方って、Y大学じゃなかったですか?」
 ああ。そうだ。
ファレル「嫌がらせですか?」
 ギャグだ。する程の価値も無いだろうケド。
ファレル「解かっているならやらないで下さい!!」
 五月蝿いなァ。人の勝手だろう。
ファレル「違います!!」
 因みにY.SM.Yにも土産があるぞ。決して役に立たないわけではないけども、別に土産として欲しいとも思わないような微妙な物が。
ファレル「要りませんよ、そんなの」
 いや、これは「押し付ける」用の土産だから。お前達には拒否権無いのでそこらへん夜露死苦。
ファレル「頭の悪い暴走族ですか!!」
 う〜ん。何て言うのか、こう言うのって基本じゃん?
ファレル「天地神明に懸けて、絶対に違います!!」
 そんなモンかね――。ま、良いや。それでは長々と駄文に付き合って戴き、有り難う御座いました。それではまた。
ファレル「サポート役は企画倒れ小説のその他の項目より、ファミュト=レルでした」

Return to Top-page    Return to Diary-Index